今の小学校や中学校では、お習字の授業で墨をすらないのでしょうか。
先日、日本画体験の講座を受けたときに、準備物として『墨』を持参するように案内がありました。
『骨描き』といって、和紙に最初に描くべき線画を細い筆で墨を使って描いていく作業があり、これに使うためです。
私は書道の趣味などはありませんから、自宅に墨などありません。
まずは100円ショップに行きました。
墨が100円ショップで売られていたらラッキー、くらいの気持ちで行きましたが、墨汁は売っていたのですが、やはり墨はありませんでした。
今って『文房具屋さん』というのが減っていますよね。昔は学校のそばには必ずありました。
今は商業施設の中の本屋さんに併設されていることが多いので、そこへ2軒ほどまわりましたが、やはり墨汁はあっても墨は置いていませんでした。
100円ショップにないのは価格の問題として理解できるのですが、学校で習字の時間に使う墨を、子供たちはいったいどこで購入しているのでしょうか。
もちろん通販という購入方法はありますが。
このとき、「ひょっとして今の時代、学校での習字の授業で墨をすっていないのでは?」と思いました。売られていないということは需要がないということです。
ネット検索すると、「今の学校では習字道具に墨が入っていない」という記事がちらほら出てきました。
「だんだか味気ないなぁ。。。」という残念な気持ちになりました。
お習字に充てられる時間が減っていて、墨をする時間がとれない、という事情のようです。
私は結局、奈良まで出かけて行って筆と墨の専門店で一番安いものを購入しました。
実は奈良は筆と墨の産地として有名です。
奈良公園周辺ではこうした筆と墨の専門店がいくつもあります。
今の私では墨の良し悪しはわかりませんが、購入した墨には
「特殊採煙した上質の油煙に力のある膠(にかわ)を「時間だき」した墨で、実にのびがよく、薄墨では茶系、濃墨では赤みを帯びた黒色です。」
と説明書きがありましたので、日本画の骨描きにも問題なく使うことができました。