オンラインで朗読レッスンを受け始めてから三年目になりますが、実は始めたころは「朗読ってただ声を出して本を読むことじゃないの?」くらいの認識しかありませんでした。
ですがさすがに三年目にもなると、「遅ればせながら朗読ってなんだろう?」と思うようになってきました。
色々ネット検索してみても、「これが朗読だ!」という明確な定義はなさそうです。
一般的には、ただ声に出して読む「音読」に対して、人に伝えるために声を出して文章を読むことを「朗読」という意味に捉えられているのかなぁ、という感じです。
更には人に伝えるために感情をこめ、抑揚をつけ、強弱つけたり間をとったりした「読みの技法」を伴う音読のことを「朗読」というのでしょうか。
そして音読は黙読に対して声に出して文章を読むことだけれど、その先に聞き手の有無は考慮されません。
突き詰めて言うと、朗読は「聞き手あっての音読」とも言えそうです。
朗読の他に「朗読劇」というものもあります。
こちらもまた、両者の違いに明確なものはないですが、朗読劇ではより読む側からの発信が強くなるイメージでしょうか。
例えば登場人物のセリフでは朗読劇だとより登場人物の個性がしっかり感情豊かに表現されるものとなります。落語なんかのイメージにも近いかもしれません。
朗読の先生によると、それでもこの両者は明確に区別できるものではなく、いずれにしてもその場の状況によってどの程度発信を強めるのか、または発信を控えめにして聞き手の受け取り方に委ねるのかが決まるのだそうです。
その場の状況というのは、会場の広さ、リアルかオンラインか、聞き手の属性、人数など様々な要素と、何より題材そのものにも影響されます。
セリフのほとんどない文章を淡々と朗読して、「これは朗読劇です」というのも違和感があります。
私は朗読教室で先生にみていただいてさらえた題材を、記録のために録音してせっせとYouTubeに投稿しています。
先日、創作エッセイをオンライン発表会で発表会したあと、やはり後日録音してYouTube投稿しました。
発表会ではその場に聞き手がいますので、その場の空気感(zoomではありますが)でやや感情を強めにのせて読みました。
ですが録音でそれをやると少し鼻白むというか不自然に感じたので、やや抑え目に読んでみました。
成功しているかどうかはわかりませんが。。。
こうして色々なことがわかってくると、ひとことに「朗読」といってもまだまだ奥の深いものだなぁと感じ入る今日この頃です。