昨日、オンライン朗読教室の発表会がやはりオンラインで行われました。
発表者は全部で6人、いつもより少し少ない人数となりました。
私が参加しているのはタイトルは「朗読教室」ではありますが、広く「話す」ということを教わるレッスンなので「朗読&スピーチ」の発表会となります。
それでも私が参加し始めた3年前はみなさん朗読をされていたのですが、今回の6人のうち、朗読は半分、その他はスピーチと、なんと「講談」というバラエティーにとんだ内容となりました。
朗読の中で、新見南吉の「二ひきの蛙」という3分に満たない短いお話しを、連れ合いが発表しました。
新見南吉は大正2年生まれで29歳の若さで亡くなった童話作家で、代表作「ごん狐」がよく知られています。
「二ひきの蛙」のあらすじ
畑の真ん中でばったり出会った緑色の蛙と黄色の蛙が、最初はお互いの身体の色を非難する口喧嘩から、取っ組み合いの喧嘩にまで発展します。
そこへ寒い風が吹いてきて、冬のくることを感じた彼らは喧嘩を一旦延期して、春にまた再開しようと土に潜りました。
春が来て、土から出たふたりは喧嘩を再開しようとしますが、「いや、まず体の土を洗い流してからにしよう」と思い立ち、二ひきで池に飛び込みます。ゆっくり土の中で休んで気分のよくなった二ひきは、「もう喧嘩はやめよう」となりました。
新見南吉の作品は著作権保護期間が完了していますので、原文テキストにご興味のある方は、下記「青空文庫」から無料で読むことができます。
連れ合いがこの作品を朗読しているのを聞いて興味深かった点は、「ギャップ萌え」です。
二ひきの蛙はけっこう野太い声で表現され「オラオラ系」で喧嘩するように読むので、聞き手に、蛙のサイズがけっこう大きいようなイメージを与えていました。
ところが池に飛び込む「トブン!トブン!」という音がとてもかわいらしく、
「え?今まであんなに激しく喧嘩してた二ひき、意外にスモールサイズなん?」
という意外性を引き出すのに成功していたように思います。
狙ってやったのかは、わからないですが。。。
朗読は、読み手の解釈が関わってくるために読み手によって作品の世界観が異なります。そして、そこが朗読の面白いところでもあります。
コロナでリアルの教室が完全オンラインになっていて、実は今の先生と生徒さんたちとはまだリアルでお会いしたことがありません。
9月には一度飲み会しましょう!という計画もあるので、そのときが今から楽しみです。
新見南吉の作品を朗読してYouTube公開しています。↓ ↓ ↓