毒舌漫談の綾小路きみまろさんをご存知でしょうか。
20年ほど前に50代でブレイクした遅咲きの芸人さんです。主に中高年への毒舌ネタで大人気でした。「あれから40年!」というフレーズは有名ですね。
私の母親世代は当時みんな綾小路きみまろの大ファンで、テレビを見ては大爆笑していました。
一方子供である私や妹は
「こんなんどこがおもろいねやろ?」
と不思議で不思議でたまりませんでした。
会場のお客さんをいじりながらインタラクティブに漫談が進みます。いじられたお客さんもすごく嬉しそうに笑っています。私の目には「観客がバカにされてるだけのギャグ」に思えて、見ていて不快な気持ちにすらなったのを覚えています。
ところが。。。!
自分が50前くらいの歳になってから急にモーレツに笑えるようになってきたんですよね。これが。なんでやろ。。。?
その年齢に達するまで実感できないことってありますよね。よく昔要介護に認定された祖母に「あんたも80になったらわかるんや」と言われたものです。
私も今では50を越えて体型も崩れ、筋肉も体力も落ち、老眼鏡がないと魚の小骨が見えず、身体中の関節という関節がいっせいに痛み出し。。。
さすがに80の気持ちはまだリアルにわかるとは言えませんが、60代くらいの人たちになら十分共感できるようになりました。
綾小路きみまろさんのネタはターゲット層がとても狭い、ニッチです。
ちょうど当時の団塊の世代がド真ん中。思うに私が笑えるようになってきたのもターゲット層に近づきつつあるということに違いありません。
笑えることになった原因を自己分析するに、
- あの中高年の悲哀ネタが(今まさに、あるいは近い将来に)既に自分ごとである
- その悲哀ネタを自虐的に捉えて笑い飛ばせる「心のゆとり」ができてきた
と多分このようなことじゃないかと思います。
「あれから40年!」
最近あまりテレビではお見かけしなくなった綾小路きみまろさんですが、また機会があれば思いっきり笑ってみたいです!