バブルというと日本国民みんなが高給取りだったかのように思われるかもしれませんね。いえいえ、決してそんなことはありません。世の中にはバブルの恩恵を微塵も受けていない業界、職種というのはあるものです。
私は1988年に就職しましたが、そもそも就職した会社が斜陽産業であったため、初任給は忘れもしない11万5千円。社会保険料と昼食代が控除された初任給の手取りは10万円を切っていました。
当時大卒初任給は15~6万円くらいだったかと思います。
「うちは住み込みで三度の食事は提供するけど、月給は10万やから」という条件の会社(?)にも面接に行きました。今思えば家賃と食費がただなのですから、こちらの会社の方が給料は多かったということになります。
勤めた会社はもちろん完全週休2日制などではなく、月に1回だけ土曜日が休みでした。幸い残業がなく、毎日定時で終われるので、夜は別の会社でアルバイト、家にも仕事を持ち帰り内職生活でなんとか独り暮らしの生活は成り立っていました。
お盆休みは15日までで、正月休みは3日まで、おまけに年末30日にはちょっといい牛肉(京都 三嶋亭のお肉)500gが会社から支給されるという、昭和を通り越して明治な企業風土。初めて年末に牛肉受け取ったときは「丁稚の藪入りか?」と思いましたよ。盛っていないです。実話です。
今、その会社はもうありません。グーグルアースで見ましたら、どうも住宅地になっているようです。
私のバブリーでないバブル時代。
悲しくもあり、懐かしくもあり。