なこのすけらいふ

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日本画とデジ絵に大した違いはない

先週末まで膠液を作って日本画を描いていましたが、膠液は『生もの』です。

一般には「消費期限は冷蔵庫保管で約一週間」ともいわれており、腐敗した膠液は「めっちゃ臭い」のと、岩絵の具の「固着力が弱まる」ということで、先生からも使用を控えるように指導を受けています。

 

というわけで、今週は用事もいくらか入っていてまとまった時間がとれそうもなかったので、一旦日本画の制作はステイ状態です。

 

とはいえ、すき間時間に何か描きたいので、久しぶりにデジ絵を描いてみました。

去年の3月に大和民俗公園内で撮った写真をもとに描きました。

日本画とデジタルでのお絵描きとの技法の関連性ってあるかなぁ、と考えてみたのですが、最近、「なくはないなぁ」と思うようになりました。

 

日本画では(多分先生によって考え方は異なると思いますが)写真をもとにして絵を描くことは推奨されていません。

カメラのファインダーを通した二次元の作品を、絵という二次元の作品に落とし込むとどうしても空気感が伝わりにくいし、写真は「その面」だけしか捉えられないので、「その他の面」から対象物を確認することができず、対象物への理解が疎かになる恐れがあるからかと思います。

 

なるほど、こうして写真をトレースしながらデジタルで描いていると、見えない部分の葉っぱのつき方や花弁の重なりなど、完全にはわからないことがあります。

 

実物を写生をしていると、こうしたわからない部分は自分が回り込んで確認すれば解決です。

 

でも、野外の写生なんかでは、時間の都合上、納得いくまで描き込んで帰ることができないこともあります。

細かい部分や色、陰影など、全て拾ってこれないことが多いです。

 

そうした時のために、私は実物を写生したときも「不足を補う資料として」写真は撮影しています。

 

デジタルで描く場合は最初から「写真ありき」なので、特に細かい部分も理解できる、というメリットはあります。

例えば花の「しべ」とか、葉脈のつきかたとかです。

 

逆に日本画を描くようになって、デジタルでの描き方に応用できるようになったこともあります。

 

「広い面を塗って、あとから不要な部分を消す」という作業です。

 

日本画の絵の具はムラになりやすいので、はみ出すように塗ってから乾かないうちに要らない部分を水を含ませた筆で拭う、という描き方があります。

 

今回のこのツバキの絵でも、花や葉っぱを太めの『筆ツール』ではみ出すように塗って、最終的に背景にかかる輪郭部分を『消しゴムツール』で消去しています。

デジタルのメリットは、何度拭っても紙が傷まないところでしょうか。

 

日本画とデジ絵、一見全く違う絵画へのアプローチですが、結局「絵を描くということ」にあまり違いはないのかな、と思ったりします。

 

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