なこのすけらいふ

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インスタントコーヒーと祖母の思ひで

コーヒータイムでホッとひと休み。

私はコーヒー通なわけではないですが、日常的に飲むものとしては緑茶や紅茶よりコーヒーを好んで飲んでいます。

99歳で亡くなった父方の祖母もコーヒー好きでした。

岡山県の田舎へ帰省したときも、午前や午後のおやつどきによくコーヒーをいれてみんなで飲んだのもです。インスタントコーヒーですが。

古くて黄ばんだコーヒー茶碗にインスタントコーヒー、粉ミルク、砂糖をポットのお湯に溶かし、縁側で山を眺めながらみんなで飲みました。

夜、晩御飯が済んで寝るまでの家族団らんの時間にも時々コーヒーを飲みました。

言い出しっぺはいつも祖母です。

「なこちゃん、コーヒー飲まん?(飲まない?)」

これはコーヒーを飲もう、いれてきて、という祖母の合図です。
祖母は小学校の先生をしていた経験もあって、人を使うのがとても上手いのです。

台所で人数分のコーヒーをいれて居間に戻り、それから祖母の長い話しが始まります。

祖母の話しは主題からどんどん離れて展開していきます。
いつ最初のエピソードを回収するのかな?といつも心配になるのですが、一時間後にはきっちりもとに戻って話しのオチがつく、という流れです。

私たちは聞きながら、祖母の話しの長さと声のトーンとリズムによって、まるで催眠術にかかったかのようにウトウトと眠くなってしまいます。

祖母は晩年は介護施設に移りました。

訪ねるといつも必ず

「なこちゃん。。。!来てくれたんかぁ。。。!」

ととても嬉しそうな顔を見せてくれます。

私は必ずポットに入れたインスタントコーヒーを持参し、ふたりで一緒に飲みました。

祖母とは、昔のこと、世の中のこと、施設スタッフや内科の先生の誰それさんはこんな人、いつ誰が訪ねてきてこんな話をした、などいつもいろんなおしゃべりをしました。

ほとんどは祖母がしゃべっていましたが。

今でもインスタントコーヒーを入れる度に、少しだけ祖母のことを思い出します。

「なこちゃん、コーヒー飲まん?」

 

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