介護休暇・介護休業制度の認知率や利用率は非常に低いようです。
厚生労働省の委託調査『令和3年度 仕事と介護の両立等に関する実態把握 のための調査研究事業 報告書』(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000988661.pdf)での、介護をしている人及び介護で離職した人を対象にした調査によると、制度の認知度は正規労働者でも20%前後となっています。
介護経験者の中でも制度の認知度は育児休業ほどにはなっていない状況かと思います。
利用率の方は、正規労働者に限ると介護休業10.3%、介護休暇で10.9%とさらに低くなっています。
我が家の場合は、独り暮らしの義母が2018年から介護認定を受けて訪問と通いを組み合わせた在宅介護の利用を開始、その1年後に介護施設に入居、2022年に亡くなるまで、通算5年の介護となりました。
そしてその介護期間中に、会社員である連れ合いも私も制度の詳細は知っていましたが、結果として介護休暇・介護休業は一度も利用しませんでした。
介護のシーンで一番休む必要がある事柄が、「突発的な義母の不調」「役所関連の手続き」「医療機関の付き添い、入退院の送り迎え」です。
介護休暇は年5日しか利用できず、私たちの勤める会社ではどちらも無給でした。
まずは収入が減少しない手段から、ということでふたりとも有休休暇はすべて使い切ってしまいましたが。。。
また、介護休業は通算93日、分割取得は3回までなので、賃金日額の67%の給付金があるとはいえ、私たちのニーズには合いませんでした。
いくら制度があるとはいえ、中小企業の管理職では、連続して休むことはなかなか難しいです。
介護休業中は原則就労ができません。「今日の午前中は出社できるけど」みたいな使い方ができないのです。
早退や遅刻もしながらなんとかつなぎました。
調査資料でも、介護離職した場合の介護休業制度のニーズについて、「介護休業取得の申請期間がより短くても申請可能であるとよかった」「もっと細かく分割取得できるとよかった」「介護休業中でも、ある程度柔軟に就労できる仕組があるとよかった」という意見があるようです。
介護休暇・介護休業を有給とする企業は多くありません。
介護に有給休暇を利用する人も多いのではないでしょうか。
育児休業の給付金割合が来年度から現行の67%から80%へ引き上げられるそうです。
出生率減少の問題も深刻ですが、今後ますます高齢化が進むことになるわけですし、介護休暇・介護休業制度も、せめて制度面でもっと利用しやすくなるといいなぁ、と思います。