なこのすけらいふ

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朗読題材が古臭く感じる件

コロナ禍になってから、オンラインで朗読レッスンを受けるようになり、今年で4年目になりました。

レッスンでの朗読題材については基本的に自分の好きなもの、読みたいものを選んでよいのですが、朗読ライブでの上演やYouTube投稿については何でもいいというわけにはいきません。

 

他人の書いた題材(文章)には『著作権』が存在するからです。

 

先日教室主催の朗読ライブが行われましたが、入場料を設定していましたので、演目はすべて著作権保護期間の過ぎた作家の作品ばかりとなりました。

古い作品は、現在でも評価されている作品ともいえるので、よいものではあるのですが、聞く人によっては『古臭い題材ばかりだなぁ』と感じるかもしれません。

 

朗読ライブで読んだ土田耕平の「お母さんの思ひ出」の読み原稿

セリフなどでも、現代では使わない言い回しだったりするので、若い人には違和感があるでしょう。

 

著作権の保護期間は2018年の改正で、それまで作者の死後50年だったものが70年へと延長されています。

 

このため、明治や大正時代に活躍した作家の作品は著作権保護期間が終了しているイメージがありますが、例えば「川端康成(1899年~1972年)」の場合、2020年で保護期間が終了する予定だったところ、2042年まで延長になりました。

奇観の終了を心待ちにしていた人も多いのではないかと思うのですが。

 

他にも「三島由紀夫」や「志賀直哉」「大佛次郎」などの作家の著作権保護期間も同じく70年に延長されています。

 

青空文庫 著作権保護期間延長になった作家名一覧

 

改正時点ですでに著作権保護期間が終了している作家(1967年以前に亡くなっている作家)について、さかのぼって延長されることはありません。

 

同時代に活躍した作家でも、芥川龍之介太宰治など比較的短命だった作家の作品は保護期間が終了していて、長命だった川端康成は20年延長されたということになります。

 

ちなみに朗読会でも、『非営利』ということであれば作者の了解なく発表してよい、ということになっています。

 

(営利を目的としない上演等)
第三十八条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。

 

私たちの朗読会では、「人さまに聞いてもらうからには、ちゃんとしたものを提供する」という主催者の趣旨で、わずかながらの入場料をいただいていますので、該当しません。

 

「少し新しいものも読んでみたいなぁ」と思うこともありますが、古い作品をじっくり読むきっかけにもなりますので、メリットもあるのかなぁ、と思っています。

 

nakolife.hatenablog.com