待ち合わせ時間に「常に遅刻する人」と「絶対遅刻しない人」がいます。
高校時代に仲良しの友人とよく阪神梅田駅で待ち合わせをしました。
絶対遅刻しない私は待ち合わせ時間の前に到着する電車に絶対遅れないように早めに家を出発し、結局一つ前の電車に乗れてしまうために、待ち合わせ時間の30分ほど前に着いてしまいます。
一方友人は約束の時間にぴったりかちょっと遅れるくらいに到着する電車を目指し、結局一本遅れてしまって15分以上は遅れてしまう、都合私は1時間近く待つ、ということが常でした。
私はいつも文庫本を持ち歩いているので、待つことはそれほど苦にはなりません。遅れるには遅れる事情があるものですし、「待たせてごめんね」のひと言があれば特に怒りもわかないものです。相手を待たせるより待つ方が、気持ちだってずっと楽なのです。
小学生のとき、遠足のバスに数分遅れてきたクラスメートがいました。
遅れてきたその子は既にバスに乗り込んで待つクラス全員の視線がさぞかし痛かったことでしょう。
このとき先生が
「時間に遅れるということは、待つ人の時間を奪うことなんだよ。君が1分遅れると40人分、つまり40分の時間を奪うことになる。これからは気をつけなさい。」
という意味の話しをしたのを今でも鮮明に覚えています。
子供の私に、このときの先生の話しの印象がよほど強かったのでしょう。
「自分が人の何かを奪う」ということが、当時の私にとてつもなくいけないことのように思われたのです。
子どもの頃に沁みついた考え方は、大人になっても変わらないもんですね。
ちなみに私の連れ合いも「絶対遅刻しない人」です。
結婚前の待ち合わせでも、例によって待ち合わせ時間のだいぶ前に到着してしまう私でしたが、それでも連れ合いは既に到着して私を待っていました。
文庫本を手にして。