なこのすけらいふ

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父の岡山弁と高齢者の役割語について

連休もあと2日、今日は車で1時間程度の私の実家へ久しぶりの里帰りをしました。

私の父は岡山県出身です。18歳で高校を出て関西で就職し、そのまま今までずっと関西住まいです。現在83歳。ということは、65年間関西住まいということです。
ですが、関西弁は一切話しません。関西に住まいながら岡山弁で全てを押し通すのはある程度勇気のいることではないかと思うのですが…

母の方は関西生まれの関西育ちでしたから、そもそも関西弁しか話しません。岡山弁の父と関西弁の母に関西で育てられた私は、子供のころよく父に「バカ!」と叱られたものですが、関西弁ベースで育った身としてはとても「バカにされた」気がして、せめて「アホ!」と叱ってもらえないものか、と思ったものです。

ところで岡山弁って語尾にたいてい「~じゃ」がつきます。関西弁では「~や」と言うところが「~じゃ」なるんですね。例えば

関西弁:そ(う)や!そ(う)やろ(う)?※(う)は省略可
岡山弁:そうじゃ!そうじゃろう?

てな感じ。

で、日本昔話やお芝居なんかで、お爺さんやお婆さんのセリフでよく「~なんじゃ」みたいなあれ、お爺さんお婆さんは年をとるとなぜかみんな岡山県人になってしまうのなぜ?と不思議に思ってたんですよね。だって関西の高齢者は「~なんじゃ」とか言いませんから。

あれって調べてみると高齢者がみんな岡山県人になるわけではなくて、「こんな話し方をする人は高齢者である」とある意味ステレオタイプ化された「役割語」というものなのだそうです。

ウィキペディアにはこのように解説されていました。

様々な物語作品やメディア作品(外国語作品の翻訳も含む)、特に子供向け作品やB級作品において、老人は「そうなんじゃ、わしは知っとるんじゃ」、貴婦人は「そうですわ、わたくしは存じておりますわ」のような言葉遣いを用いる。そのような言葉遣いの老人や貴婦人は現実にはほとんどいないが、日本語話者であれば言葉遣いを見聞きするだけで「老人」「貴婦人」のイメージを自然に思い浮かべることができる。これらは物語作品やメディア作品で繰り返し使われることで、特定のイメージが社会で広く共有されるに至った言葉遣いである。物語の中で、老人としての役割を担う登場人物は老人の役割語を、貴婦人としての役割を担う登場人物は貴婦人の役割語を話すのである。

引用元:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%B9%E5%89%B2%E8%AA%9E

リアルにその人がどんな言葉で話すか、ということより、役割語を当てはめることで登場人物の属性が聞き手に伝わりやすい、というメリットがあるわけですね。

ガラの悪いヤクザ風の人物が往々にして関西弁を話すのも、「役割語」のひとつかもしれないです。関西人としては複雑な気分ですが。。。

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