今日は日本最古の肖像彫刻といわれている『鑑真和上座像』を見たくて、久しぶりに奈良市の『唐招提寺』へ行ってきました。
唐招提寺は誰もが学校で習った『鑑真和上』創建の奈良時代のお寺です。
唐から日本に渡った鑑真和上、といえば私たちの世代では井上靖さんの歴史小説『天平の甍』でその苦難の生涯と功績が刷り込まれている人も多いのでは。
唐招提寺は近鉄橿原線の『尼ヶ辻駅』と『西ノ京駅』のちょうど中間地点に位置します。
今日はまず『尼ヶ辻駅』からのスタートです。
この駅からは、西ノ京駅へ向かってテクテク十数分歩くと唐招提寺です。
途中は田園と古墳ののんびりした風景の道をひたすら歩きます。
このあたりは日陰がありませんから、今日のように暑い日は日傘は必携です。
途中に古墳があり、ちょっと寄り道です。説明を読むと宮内庁により「垂仁天皇」のお墓とされていました。
ただ、Wikipediaでは被葬者は明らかでない、と記載されています。
さあ、古墳見物を済ませて、線路に沿ってテクテク歩きます。
踏切を渡ってほどなくすると唐招提寺に到着です。
南大門をくぐると、正面に見えるのが金堂。
正面の8本のエンタシス(上が細くなっている)柱が堂々とした安定感を感じさせます。
金堂内部には3mに及ぶ廬舎那仏、薬師如来像、千手観音像が配置されていますが、圧巻は千手観音像です。
手がめっちゃ多い!953本あるとのことです、マジですか!
堂内撮影禁止なので、興味のある方は公式HPでどうぞ。
金堂の奥には同じボリュームで講堂が配置されています。
やはり内部に仏像があるのですが、修理中で今見ることができません。
境内はとても広くて、こんな苔がすごくきれいな場所もあります。
人が少なくていいところですね!
こちらは『戒壇』といわれる、鑑真和上が僧になるための授戒を授けた場所。
創建当時の場所だけど、今は建物は焼失しておりありません。丸いモニュメントは昭和時代のものだそうです。
石段だけが鎌倉時代のものとして残るそうです。
一時間ほど拝観して、唐招提寺をあとにしました。
「あれ?鑑真和上像を見たくて行ったのだよね?」
そうなんです。
肝心の鑑真和上像は現在『御影堂』に安置されていて、普段は拝観できません。
毎年6月6日の前後三日間だけ、堂内が特別公開され見ることができますが、私はこれまで人混みが苦手で見たことがありません。
ただ、今は『開山堂』に『御身代わり像』が設置されていて、いつでも見ることができるのです。
「なんやレプリカかぁ」と言って開山堂の前を通り過ぎていく方が多いですが、この御身代わり像、脱活乾漆造という当時の作り方を忠実にたどって制作された貴重な像なのです。
やはり撮影禁止ですので、公式HPでご覧ください。作り方も写真で詳しく紹介されています。
さて、鑑真和上像も拝ませていただきましたので、山門を出ます。
今は門前のお店もやってなくて寂しいですが。。。
薬師寺方面に少し行くと、お蕎麦屋さんなど数件、お店があります。
昼食にお蕎麦をいただきました。
同じ道を行くのもつまらないので、帰り道は『西ノ京駅』から帰ります。
またまた寄り道してしまいました。
『養天満神社』です。
この踏切、神社のためだけに存在するかのよう。。。
この辺りは、高い建物などが何もなく、往時をしのばせる雰囲気がなんともいえない地域です。
まぁ、無茶に開発したらダメといいますか。。。
すぐ駅のそばが『薬師寺』なのですが、私は奈良市民なのでいつでも来ることができます。拝観料もお財布に厳しいので、今日はスルーします。
西ノ京駅から帰途につきました。
尼ヶ辻駅とまるで双子のような雰囲気の駅です。