日本のジェンダーギャップ指数が2023年では146ヶ国中125位と前年116位から更に後退しています。
この指数の定義もちゃんと理解すべきではありますが、改めて日本のジェンダーギャップ改善は進まないだなぁと残念に思っています。
私の働く業界は女性比率が高いにも関わらず、女性の平均賃金は男性の7割にとどまっていることが、業界の「年金基金だより」からも確認できます。
時代は多様性や、男女格差是正が叫ばれて久しいですが、まだまだ実現の道のりは遠いようです。
私の周囲にも「悪気のないジェンダーギャップ発言」は無数に存在します。
例えば、
しっかりした性格の女性に対して「男だったらよかったのにね」
卒業後実家を出た女性に「女の子なのによく出してもらえたね」
プロポーズの言葉は「僕についてきてほしい」
更に、2021年のデータでは95%の婚姻カップルが夫の姓を選択しています。
夫婦の姓(名字・氏)に関するデータ | 内閣府男女共同参画局
こんなこと特に不自然に感じない人の方が多いかもしれませんが、私はとても違和感を感じます。
私の高校時代、三年生の進路別クラス分けで理系クラスには女子は5人しかいませんでした。
今では「リケジョ」という言葉もよく耳にしますが、それでも横山広美著「なぜ理系に女性が少ないのか」によると、まだまだ日本では理系に進む女性は圧倒的に少ないのだそうです。
著者によると、日本は世界の中で男女ともに理数の学力が高いのにOECD内で女子の理系への進学率が最低なのは、日本の伝統的なジェンダー規範、男性向き、女性向きという無意識のバイアスが要因だと分析しています。
しかもそのバイアス要因は母親の意識や考え方によるものが大きいとも書かれていました。なんだか複雑な気持ちです。
男性だから、女性だから、それ以外だからということにとらわれず誰もが好きなこと、得意なことを選択できて、誰からも批判されない世の中になってほしいと心から願います。