この春入学した通信教育での課題の資料として最近購入した本があります。
《図説 百鬼夜行絵巻をよむ》です。
リンク
何十年かぶりで氏の文章を読み、なぜかつてあんなに好きだったのだろう、と考えてみました。
高校生だった私がなぜ澁澤龍彦氏の作品と出会ったのかは覚えていないのですが、なにしろ面白くて夢中で読みました。
特に好きだったのが博物誌関連の本で、《幻想博物誌》は図も載っていて、何度もくりかえして読んだ記憶があります。
特に休むときに自分の足を傘のように日よけにして寝る「スキヤポデス」が大のお気に入りでした。
リンク
扱うテーマは「エロスと背徳」って分野が目立つのですが、テーマのきわどさとは対照的にとても清々しくて若々しい文体であると感じます。
このエッセイの中で氏は
(百鬼夜行や井光については)私のように、人間の文化の歴史を一種の博物誌の連続として見ることを好む性癖の者にとっては、これが何と言おうか、たまらない魅力だったのである。
さて『百鬼夜行絵巻』ですが、捨てられてお化けになった器物たちが夜中に行進する様子がユーモラスに描かれた絵巻物です。
室町時代から近代まで数多く描かれ、完コピもあれば二次制作もあったりして、全国に60以上の諸本が確認されているそうです。
図録で見るとどうしても絵巻の部分を連続してみることができずらいですが、博物館の公式サイトでは全体を見ることができてなかなか興味深いです。
↓ こちらの愛媛県歴史文化博物館のサイト。
↓ こっちは兵庫県立歴史博物館です。