家でのひとりのお昼ご飯に、よく『衣笠丼』を作って食べています。
うすあげを卵でとじた丼で、『衣笠丼』は京都固有の呼び名らしく、『きつね丼』とか『きつねとじ丼』とかいう人もいます。
冷蔵庫にある材料で簡単に作れて美味しいので、お昼に便利な1品です。
作り方は、出汁60㏄、砂糖大さじ4分の1、薄口しょうゆ、みりんそれぞれ大さじ3分の2を火にかけ、刻んだうすあげと斜め切りした青ネギを加えて2分ほど煮て、溶き卵を加えて好みの硬さになったら火を止めてご飯の上に乗せる、これだけ。
私は一人分を作るときは小さめのフライパンを使っています。
私はこの美味しくてリーズナブルな衣笠丼が若いころからお気に入り。
さかのぼること35年以上前、京都で働いていた時分、よくお昼に近所の麺類・丼の小さな家族経営のお店「玉利」さんから出前をとったものです。
玉利さんのメニューはどれもお出汁が絶妙に美味しくて、かといって庶民的な材料と値段のラインナップでした。
衣笠丼はその中でも特に安くて、給料の少ない私にとってはとてもありがたいメニューだったのです。
昼休憩の少し前に職場のみんなで注文をとりまとめて注文の電話をし、12時になったらお店のおじいちゃんが「へい~まいど~」と20mくらいの距離を自転車に乗って岡持で持ってきてくれていました。
今は会社もお店もなくなってありません。
グーグルマップで見るとおしゃれな住宅地になっていました。
私にとっては、思い出の衣笠丼でもあります。