最近ボチボチと日本画の本画制作を始めています。
日本画の絵具の接着剤となる膠液が腐りやすい、ということで、一度膠液をつくると描き終わったら冷蔵庫に保管するようにして、1週間を保存期間の目安にしています。
なので、一旦膠液を作ると1週間は『本画制作ウィーク』となることが多いです。
私の場合は、1回分として棒状の膠で10%の膠液を45g作ってまわしています。
今は10号以内のサイズで描いているので、この量で十分です。
先週も、新しい10号の本画の水干絵具(泥絵具)での下塗りを開始しました。
これまで、F4号、F6号までの本画制作は経験があるのですが、F10号サイズ(53センチ×45.5センチ)で描くのは初めてです。
今回の絵では、背景の下地をできるだけムラなく塗ってみたくて、同じ絵の具を3回ほど重ねることにしたのですが。。。
1回目から大失敗してしまいました。。。
水干絵具は私の持っている一番大きい溶き皿(直径13.5センチ)でたっぷり作ったつもりでしたが。。。足りませんでした。
最初の2段目まで横に刷毛を引いてみて、皿に残った絵具があと少しとなり「ヤバ!絶対足りひんやん。。。!」と焦りました。
日本画制作は「慌てたもの負け」、落ち着け、自分!
ただし、日本画の絵具は濡れている間しか自由がきかず、スピードとの勝負でもあります。長考している余裕もありません。
思いついたのが「少しずつ水を足す作戦」です。
3段目、4段目、と塗り進めるたびにお皿に注水し、量を増やしながらなんとか最後まで塗りきりました!
水を足すごとに、当然絵具の濃度は薄まりますので、下へいくほどグラデーションがかかった状態ですが、このあとも何度か絵具を重ねますので大勢に影響はないはず。
2回目はこの失敗を活かして、絵具はもっとたっぷり準備して塗りました。
塗る方向は1回目と縦横を逆にして、2回目はきれいに塗れました。
3回目は、1回目と同じ方向から刷毛目を左右逆にして、刷毛目をずらして塗り、乾かないうちに縦横を逆にして刷毛を引き直して終了です。
ここまでで、この日の作業は終了しました。
最初の「溶いた絵具が足りない問題」に焦りましたが、失敗はしっかりリカバーできました。
失敗は成功の母!!
「日本画の絵具は高い!」と思ってしまって、ついつい絵具を溶く量を控えめにしてしまったことが今回の失敗の原因です。
いわば私の『貧乏性』が根本要因。
この生まれながらの貧乏性、克服するのは難しいですが。。。